ｔｅａー茶ネタだよ人生は

おいらが中学校三年の時だから、
1979年の5月のハナシだ。

修学旅行は関門大橋～別府～阿蘇山～熊本～島原～長崎という
長～いバスの旅だった。

バスの中では一番前の席に陣取り、
１・２番（出席番号）コンビの相方、アキヤマくんと漫才をやっていた。

おいらのバスのガイドさんは「ミヤザキさん」って人で、
ほかのクラスの子が羨むほどの美人だった。
おいらはアキヤマくんと「ミヤザキさん」の笑顔が見たくて
必死に漫才を続けていたのだ。

修学旅行から2ヶ月たった頃、
アキヤマくんがおいらに相談を持ちかけてきた。

彼はなんと、長崎にあるバス会社に問い合わせて
「ミヤザキさん」と文通していたらしい。
そして休日を利用して「ミヤザキさん」が会いに来てくれる、というのだ。
しかも、一緒に会って欲しいという完璧な展開。
神は「必死の漫才」にご褒美を用意していてくれたのだ。

その数日後の土曜日、「ミヤザキさん」はやって来た。
ガイド仲間の素敵な友達を連れて・・・。

待ち合わせ場所は中学校の校門だった。
誰もいない校舎の中を案内したあと、田舎町を4人で歩いた。
よくこんな山の中に・・・と思ったけれど、
アキヤマくんと町中のありとあらゆる名所を案内した。
今思えば、これがおいらの「初デート」だったのかも・・・。

セミしぐれの中、アキヤマくんのボケ、おいらのツッコミ、「ミヤザキさん」の笑顔・・・
あっという間に夕方がやって来た。
列車で岡山のホテルへ戻る彼女たちに、二人とも必死で手を振ってたっけ。

中学校を卒業する頃、
神様はさらにアキヤマくんとおいらにプレゼントをくれた。
「ミヤザキさん」そっくりのアイドルがデビューしたのだ。
卒業式のあと、おいら達はそのアイドルが載っている
「明星」だか「平凡」だかを見ながら
「ミヤザキさん」の思い出話に花を咲かせていた。

そのアイドルとは・・・
1980年3月にデビューした



松田聖子さんでした。